ヴィレッジのあらすじ

豊かな森に囲まれた小さな村。村人たちは幸せに暮らしていましたが、その村にはいくつかの掟があります。

赤色は不吉。赤い花はちぎって埋めなければならない。

その代わり黄色は自身を守ってくれる色である。

また森の向こう側には決して行ってはならない。なぜなら森の向こう側には怪物がおり、こちら側が干渉しなければ危害は加えられない。
村人は誰もがそれを守っていた。

掟を破る

しかし精神患者のパーシーはたびたび村の外側に行っていました。そして、とうとうこの村の掟を破ってしまったため、穏やかだった村の暮らしは一変します。

次々と不可解な事件が起こり、村人たちは森の怪物の仕業だと騒ぎたてます。

盲目のアイヴィーと寡黙な好青年ルシアスはこの村の大人たちが何か隠していることを感じ始めます。二人は真相を突き止めようとしますが・・・。

総合評価 

評価:★★★★★ (非常に良い)
印象:悲しい・怖い・驚いた

実はこの映画を観るのは2回目で、15年前の作品が出たばかりの時に映画館で観ている。

初めて観た時は何とも言えない恐怖や悲しみ、または最後のどんでん返しに、今まで観た映画の中で最高の映画だと思った。

先日レンタルDVD店に行った際に、久しぶりにまた観てみたいと思いレンタルした。

話の内容を知っているのに、あの初めて観た頃の気持ちになり、しかも15年経った今でも、やはりこの映画は内容や構成など全てにおいて傑作だと感じた。

ヴィレッジのここが良かった

正体不明の不気味さ

まず何よりもこの映画で特記すべきは、映画全体にちりばめられている正体不明の不気味さだと思う。

一体この村はどこにあるのか、いつの時代の話なのか、森の怪物とは何なのか、大人達は何を知っているのか。

たくさんのわからないことが観ている側を不安にさせ、加えて映画の中の映像や音、秀逸な間(ま)を駆使して不気味さを増幅させている。

ゾンビ映画の様なアメリカンな怖さではなく、何がどこにいるのか解らない日本のホラー映画の様なテイストを持ち合わせているのだ。

村と森の境界線で肝試しをしている若者のシーンは、村側の炎の明かりと森側の漆黒の暗闇とが不気味さを数倍に膨らませており、観ている側もまるでそこにいるかのような気持ちになる。

そして映画のラスト、その不気味さの真相を知った時、深い悲しみと愛とが爆発し、今まで続いていたマイナスの感情は一気に吹き飛び、そこには一種の晴れやかな気持ちも残るだろう。

監督のM・ナイト・シャマランが得意とする映画のどんでん返しや衝撃の事実がラストに隠されている。それを知ると今までこの映画であった布石が次々と頭を駆け巡り、様々な感情が溢れ出てくる。

ラスト15分は圧巻としか言いようがなく、間違いなく傑作中の傑作と言える。

印象に残ったセリフ・シーン

村と森の境界線で肝試し

映画の序盤に出てくる村と森の境界線で肝試しをしている若者のシーン。

森には怪物がおり、決して踏み込んではならない。大人たちからそう教えられた子どもたちは村と森の境界線のすぐそばで森に背中を向けて恐怖に耐える肝試しをしている。

村側の煌々とたかれた炎の明かりと、怪物がいると言われる森側の漆黒の暗闇との対比が、恐怖や不気味さを上手に引き出しており、観ている側もまるでそこにいるかのような気持ちになる。

暗闇をしばらく映し出す場面があるが、そのまま引き込まれそうになりゾッとする。アメリカンなゾンビ映画の怖さとは違う、そこに何があるかわからないという恐怖や不気味さは日本人に通じるホラーテイストである。

元来日本人は目に見えないものを崇拝してきた文化があり、それは崇拝とともに恐怖でもあった。

目に見えないもの、つまり認識できないものは恐怖につながるという日本人独特のホラーテイストがこの映画にはちりばめられているが、このシーンもそれが良く演出されている。

アメリカ人の監督なら、暗闇に何か動くものを映し出したかもしれないが、ここはさすがのM・ナイト・シャマラン監督。

おかげでこちらはその後もずっと不気味さを感じながら映画を観ることができた。

こんな人にオススメ

ラストのどんでん返しや「こういうことだったのかっ!」という衝撃を受けたい方におすすめ。

このM・ナイト・シャマラン監督はそれが得意だし、この作品は同監督の他の作品よりうまくできていると思います。

またホラー好きの方でも十分楽しめます(ホラーテイストもあり、かなり怖いです)。

ただ映画のラストを観た後は恐怖や不気味さは全く残らないので、逆に日本のホラー映画は怖すぎて夜にトイレに行けない、なんて方にもおすすめ。

ヴィレッジをみた私の思い

ナイト・シャマラン監督の映画は全部制覇したが、やはりこの「ヴィレッジ」は最高傑作だと思う。