「チア☆ダン」の感想&あらすじ!圧巻の熱量を誇るラスト30分

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あらすじ
福井県立福井中央高校の1年生・友永あかりは、サッカー部の山下孝介を応援したいという理由からチアダンス部へと入部することになります。

そこに待っていたのはチアダンス部の顧問・早乙女薫子でした。

彼女はあかりたち新入生の前で全米制覇という目標を宣言し、そのための厳しいルールを定めて生徒たちを指導していきます。

軽い気持ちで入部したあかりはチアダンスどころかダンスさえ未経験の初心者でしたが、笑顔だけは早乙女や他の部員からも褒められ、部員たちと自然にコミュニケーションがとれるあかりはチアダンス部にとって欠かせない存在になっていきます。

やがてチアダンス部は、チーム名を「JETS(ジェッツ)」として、衝突や廃部の危機を乗り越えながら全米大会に向かって成長していきます。

総合評価 

評価:★★★★☆ (良い)
印象:

「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」は、青春学園モノの映画としては、誰もが楽しみながら見られる完成度の高い作品になっていると思います。

ただ、映画を見ていて気になってしまった点もいくつか見受けられました。

2時間の映画で主人公の高校での3年間を描いているためしかたないのですが、どうしても駆け足になる部分が多いという点。

そして、主人公の恋愛要素が果たして必要だったのかという点、チアダンスをテーマにした映画にしてはエンディングテーマがしっとりし過ぎている点が気になってしまい、星4つとしました。

チア☆ダンのここが良かった

あえて描かないような演出「ダンス」

この映画はあえて描かないような演出が多く見られ、視聴者を我慢させることで後半に怒涛の展開を見せている映画だと感じました。
本来であれば最も重要視されるチアダンスのシーンがですが、作品内では序盤の不出来なダンスを披露してしまうシーン以外にはラストまで一切描かれることはありません。

全米大会出場までには国内の大会に出場することになるわけですが、潔いほどにダンスシーンを描かないことが徹底されており、後半までとっておくという演出であいだを省いたことがラストに効いていると思います。

だからといってダンスシーンが拙いというわけではなく、彼女たちのダンスを通じてその練習量が伝わってくるほど見どころのあるシーンになっています。

あえて描かないような演出「顧問の先生」

また、チアダンス部の顧問をつとめる早乙女先生の人間的な描写も、後半まで一切描かれることがありません。

さおりは部員ひとりひとりの性格をよく理解し、劇中で対立が起こった際などにはフォローするような姿をたびたび見せていますが、早乙女先生のことに関しては最後まで理解できずにいます。

見ている側としても冷酷とも言えるほどにチアダンスのことしか考えていないような早乙女先生は、心のない人間のように見えてしまいます。

早乙女先生のことをあえて描かず冷徹な印象を植え付けながら、人間的な描写を最後に持ってくることで、ラストに感動が押し寄せる展開を形にしています。

印象に残ったセリフ・シーン

「どんなに努力しても駄目なことはある。でも努力し続けるしかない」

チアダンス部の部長をつとめる玉置彩乃は、真面目過ぎるほどの性格でチアダンス部のセンターで踊っている人物でもあります。

もともとチアダンスの経験者でもあり、1年時から部員の指導にあたるなど、部の中心的な存在でもある彼女は、全米大会の決勝でセンターのポジションを変えられてしまいます。

それはややもすると彼女が今までやってきた3年間が否定されかねない出来事でもあるのですが、早乙女先生はあくまでシビアな判断を下します。

彼女がセンターとしての心構えを描いていたノートには「どんなに努力しても駄目なことはある。でも努力し続けるしかない」という言葉が記されています。

これは部活に青春をささげる学生はもちろん、それ以外の人にとっても深く刺さる言葉だと思いました。どんなときでも真面目でストイックな部長・玉置らしい言葉といえます。

この言葉は劇中で何度か登場しており、主人公・ひかりを励ます言葉にもなるのですが、最後に玉置自身がセンターを外されたことで、ひかりの言葉と合わせて自らを奮い立たせる言葉にもなります。

スポコン映画にありがちな猛練習をしているといった描写があまり見られない本作ですが、登場人物の性格や個々のやりとりから、厳しい練習の日々を補完している作品でもあると感じました。

こんな人にオススメ

チアダンスの魅力を知ってもらううえで多くの人に見てもらいたい映画ではありますが、厳しい先生や問題を乗り越えて成長していく姿などが多く描かれているので、スポーツや青春モノの映画が好きな方にはおすすめだと思います。

終盤では全米大会ということでエンターテイメント的な要素も強く、盛り上げ方が非常に上手い構成にもなっています。

最後には泣ける展開が待っているので、大団円で終われる映画が好きな方にもおすすめの作品です。