あらすじ
荒廃した近未来の地球では疫病によって作物が枯れはじめ、大規模な砂嵐が吹き荒れるなど地球規模の食糧難の時代を迎えていました。

かつて宇宙飛行士をしていたクーパーでしたが現在は仕事を変え、農夫として働きながらトムとマーフィーという2人の子どもを育てていました。

ある日、娘のマーフィーは自分の部屋で突然本棚から本が落ちるという不可解な現象を目にし、それが幽霊のせいだとクーパーに話します。

しかし、(不思議だと思いながらも)そんな非科学的なことを、クーパーをはじめ家族たちは相手にしませんでした。

ですが、不思議な事は続きます。ある砂嵐の日にマーフィーの部屋で砂によって描かれたメッセージを発見するのです。これは何なのか不思議に思ったクーパーは謎を探ります。

それがある場所を示していることを突き止めたクーパーは、マーフィーとともにその場所へ向かうと、そこには解体されたはずのNASAの研究所がありました。

そこではジョン・ブランド教授のもと多くの研究員たちによって人類を他の星へ移す計画が極秘裏に進められていました。

クーパーは元宇宙飛行士としての腕を買われ、荒廃した地球から人類を救うためのパイロットとして、宇宙へと旅立つことになるのでした。

総合評価 

評価:★★★★☆ (良い)
印象:

荒廃しつつある地球に暮らす人類を救うため、居住可能な星を探す旅に出るという壮大なストーリーで、冒険要素や手に汗握るような宇宙船の操縦シーン、個性的なAIロボットなど、宇宙を描いたSF作品としては文句なしの出来だと思いました。

ただし作中には物理学を用いた難解なシーンもあり、やや説明不足な感もいなめないため、1度見ただけですべてを理解するのは難しい作品でもあると感じました。

そのため初見を意識した評価をする場合には、星を1つ落として星4としました。

おそらく複数回見返すことで評価が高まっていく映画でもあると思うのですが、何度でも見たいと思わせてくれるだけの映像的な魅力もあり、3時間近くある上映時間も長く感じさせない完成度の高い作品だと思いました。

インターステラーのここが良かった

人間の「愚かさ」が描かれている

この映画は、人間の「愚かさ」がしっかりと描かれていたところに好感を持ちました。

宇宙を舞台にしたSF映画には、困難に対して人類が英知や勇気をもって立ち向かうといった作りのものが多くありますが、この作品にはそういった人間の良い部分だけでなく、傲慢さや嘘など人間の悪い部分も描かれています。

これはクーパーたちとともに宇宙を旅する従順なAIロボットたちと対比することで、より浮き彫りになる部分でもあり、「愚かさ」はある意味ではとても人間的な部分であるとも言えます。

人間の「愛」が描かれている

ただそれだけではなく希望が見える部分も用意されており、別の銀河にある地球に似た惑星に移住する計画を立て、それを実現させるための技術力を持っていることはもちろんですが、この作品においては誰かを思う心。

つまり愛が人間に活力を与え、人類を発展させていくという希望が明示されているように思えました。

愚かさを持っている人間ではありますが、人を愛する心や希望を見出す力も持っているのもまた人間です。

そしてそれによって困難に打ち勝つことができるのも人間ならではの特徴であるということが、この映画の中で示されていました。

そのためにあえて愚かな部分を描くということが、この映画が感動できるひとつのポイントなのではないかとも思いました。

印象に残ったセリフ・シーン

ブラックホールを通り、別次元へと飛ばされてしまったクーパーが、過去のマーフィーとコンタクトをとるシーン

印象に残った理由は、クーパーが宇宙へ旅立ったことで離れてしまった親子の心の距離を埋めることに成功しただけでなく、それが人類を救うためのメッセージになっていたからです。

この映画は人類を滅亡から救うという壮大なテーマに加え、親子愛も重要なテーマとして描かれています。

宇宙でミッションを遂行するクーパーたちとは対照的に、地球でクーパーの帰りを待つマーフィーたちは次第に環境が悪化していく地球で長い年月を過ごすことになります。

やがて父親を信じていた気持ちに揺らぎが生じて、親子の心の距離は離れていってしまうのです。

ストーリーが進むにつれてクーパーたちの状況も絶望的になっていくため、映画を観ていて途中から果たしてどのように人類を救うのかと思っていましたが、その方法が別次元の空間から過去のマーフィーにメッセージを送るという方法だとは思いませんでした。

地球でずっと父親の帰りを待ち続けていたマーフィーが、実はずっと昔から父親からのメッセ―ジを受け取っていたことに気がつくというシーンは、人類を救うと同時に親子の間にあったわだかまりまで解決されていて、壮大な作品でありながら心温まる映画だと思いました。

こんな人にオススメ

映画の大部分が宇宙や別の星の描写になっているので、宇宙系のSFが好きな方は文句無しで楽しめる作品になっています。

また家族愛や人間愛をテーマにした作品でもあるので、単純に感動できる映画が見たいという方にもおすすめできる作品です。

幅広い世代の人が楽しめる作品ですが、相対性理論から重力波のような天文学、物理学の情報がふんだんに盛り込まれているため、宇宙のことに詳しい方だと、より楽しむことができる作品でもあります。