あらすじ
かつて「ブラック・カイザー」の異名で知られた殺し屋のダンカンも、今では殺し屋組織・ダモクレス社をもうすぐ定年退職する初老のオヤジ。

引退後は平穏な暮らしを望み、雪深いの山のふもとで静かに暮らしている。隣の家に住むカミーユに好意を寄せ、薪割りをこっそり手伝ったりしながら穏やかな暮らしを続けようとしている。

そこにダモクレス社から、あるターゲットを殺す仕事の依頼が入る。

かつての殺人の記憶が蘇る悪夢に悩まされていたダンカンは依頼を断ろうとするが、聞くとダモクレス社のトップであるブルートから直々の依頼ということもあり、渋々ながら依頼を受けることに。

しかし、その依頼はブルートの策略であり、引退間近の殺し屋を仕事中の事故に見せかけて殺害し、退職後の年金を支払わなくて済むように仕向けていたのだった・・・

穏やかな暮らしを手に入れるる事は出来るのか?そして、ダンカンの身に降りかかる衝撃のラストとは!?

総合評価 

評価:★★★★☆ (良い)
印象:興奮・単純・カッコいい

まず、とにかく主演のマッツ・ミケルセンがとにかく渋くてカッコいいです!その他の登場人物もユニークでクールなキャラクターが揃っており、これぞ洋画の醍醐味! と感じられます。

しかし、残念ながら★1つマイナスなのは、期待していたよりもストーリーが単純だって点です。

「殺し屋組織を定年退職する男」といった設定からは、もっと主人公が苦悩する深い心理描写や、言葉にし難いような暗示に満ちた演出を期待してしまったのですが、とにかくそういった要素は少なく、良くも悪くもストレートでシンプル。

だからこそシーンのカッコよさに手中できるんですけどね。

ポーラー 狙われた暗殺者のここが良かった

主人公であるダンカンがとにかく強い

見た目は年老いたナイスミドル風のおじさんなのですが、若手の殺し屋たちと比べても全く衰えを感じさせない殺しのプロフェッショナルぶり。

ターゲットを殺すまでの全くムダのない仕事っぷりからは美しさすら感じられます。やってることはとても痛々しいことなんですけどね笑。

とにかく誰よりも強い主人公なので、その前に現れる強敵が次から次へとダンカンを襲いますが、基本的にはダンカンは全員に勝ちます。戦う前からダンカンが結局勝つと分かっているのに、やっぱり観ていて楽しめます。

その勝ち方が圧倒的すぎるからかもしれません。襲い掛かる側の殺し屋だってプロのはずなのに、まるで子どもを相手にするかのようにダンカンは圧勝します。

唯一ダンカンが負けたのが、ダンカンよりもさらに年上の殺し屋である点も、作品が「年は取ればとるほど強くなる」と主張しているようでもあり、ニヤリとしてしまいます。

普段は穏やかな白髪のおじさんが若手の殺し屋たちをなぎ倒していくシーンの連続に、思わず興奮してしまいます。「ランボー」や「沈黙の戦艦」のようなマッチョな強さとは違う、渋味のある圧倒的な強さを楽しめる作品です。

印象に残ったセリフ・シーン

ダンカンの居場所を突き止めた殺し屋4人組が返り討ちに遭うシーン

殺し屋の美女による色仕掛けにあっさり乗ってしまったダンカンですが、いざ銃口が向けられるとすぐさま戦闘モードに切り替わります。

情事の最中に襲われたダンカンですが、素っ裸のまま殺し屋たちを血祭りにあげていきます。

吹雪で荒れている屋外からダンカンを狙っていたスナイパーの背後に音もなく回り込み、全裸のままスナイパーを仕留めるシーンは、ある意味最高にカッコ悪く最高にカッコ良いシーンです。

個人的にはやはり、このスナイパーを仕留めるシーンがとても印象的でした。

その後も1人ずつ着実に仕留めていくダンカン。4人掛かりでダンカンを追い詰めていたはずの殺し屋たちはダンカンに反撃され、気付けばあと1人だけ。

最後の殺し屋を仕留めるシーンも工夫が凝らされており、この全体に言えることですが、「ダンカンがいかにカッコよくスマートに殺すか」がこの作品の中で最も重要な魅力になっています。

こんな人にオススメ

グロテスクやバイオレンス、エロティックなシーンもありますが、とにかく誰でも楽しめる作品だと思います。家族そろって子どもと一緒に見られる作品ではないと思いますが…笑。

特に深いことは考えたり、抽象的な表現や巧妙な伏線などは一切気にせずに、純粋にカッコいいキャラクターやアクションを楽しみたいという方には間違いなくおススメです。

もちろんダンカンと同世代のおじさん達にもおススメです。きっと冒頭の音楽からテンションMAXになれることでしょう。

私の思い

私はいつも映画を見終わった後、自分は気付けなかった伏線や隠されたメッセージがあるのでは? と気になってしまい、Webで検索して色々な方の考察記事などをチェックします。

そうすると大体の作品で「なるほど、そうだったのか!」といった驚きがあります。

この作品を観終わった時には、期待したよりもストーリーが単調に感じられたので、逆に「自分が隠された意味や魅力に気づいていないだけでは?」と思い、Webで検索しましたが、特に新しい発見はありませんでした笑。

それだけこの作品はシンプルで単純明快であり、だからこそ純粋に「カッコよさ」に集中して堪能できるのかもしれません。

ポーラー 狙われた暗殺者の裏情報・小話

この作品はTVCMでは一時期かなりプッシュされていたと思うのですが、Netflixのトップページではそんなに前面に出てこなかった気がします。

私のアカウントの視聴傾向によるものかもしれませんが、その辺りも視聴情報をマーケティングはおろか作品作りにも積極的に活用している、Netflixならではの何かしらの意図があるのかな? と思いました。